FUNNARY代表の俵谷龍佑(@tawarayaryusuke)です。
webライティングという仕事は、一定の認知を得られていますが、まだまだライティングという仕事そのものは、どのように発注すればいいのか、あまり情報が整っていません。
私自身のライターとしての経験、そしてライティングを発注するディレクターとしての立場から、ライティングを外注して成果を上げる方法、そして外注業者やライターの選び方のポイントについて解説します。
ライティングを外注するメリット・デメリットは?
まず、ライティングを外注するメリット・デメリットについて解説します。
最初に結論を書いてしまうと…
・WebサイトのUI・UX改善、マーケ分析に時間を投下できる
・本業に時間を投下できる
・ターゲットに沿った正確な記事を作れる
・高速でコンテンツマーケティングのPDCAを回せる
【ライティングを外注するデメリット】
・ある程度の初期投資+毎月コンテンツ制作費用が必要になる
・全ての記事が成果に結びつくわけではない
・成果はすぐに出るわけではない
・選ぶ業者を間違えると、質の低い記事、成果の出ない記事ばかりのことも
ライティングを外注するメリット
メリットの大きなところは、コンテンツ制作にとられる時間を削減でき、本業に専念できるところです。
ただ、文章を書くことは誰でもできますが、成果の出る質の高い記事となると、とたんに難度が上がります。
おそらく、知識のない人がライティングをしようとすると、事前調査、構成案作成、そして執筆で1記事あたり5時間以上の時間を費やすことになるでしょう。
Webライティングの難しいところは、一度書いたら終わりではないということ。
新しい情報が追加されたら、時代的に合わなくなったら加筆する「リライト」という作業が必要になります。
ライティングを外注するデメリット
デメリットは、初期費用+毎月のコンテンツ制作費用が発生すること。
特に、Webサイト立ち上げから、ライティングを外注する場合は、ドメインパワー(Webサイトが保有するSEOに関連するパワー。検索上位に表示されているコンテンツが多い、被リンクの数が多いなどの要素により、ドメインパワーが高まる※具体的な条件は明示されていません)がゼロのため、最低でも10〜50記事程度は、記事をコンスタントに更新する必要があります。
そして、コンテンツを制作して終わりではなく、前述したように、こまめにコンテンツをリライト・メンテナンスする必要があるので、定期的に費用が発生します。
なかには、より安く抑えようとする方がいますが、安く抑えればそれだけ質の低いコンテンツが上がってきます。
短期的に成果は出るかも知れませんが、長期的に見ればマイナスです。
ライティング外注業者・ライターを選ぶポイント
外注業者(執筆代行サービス・ライティング代行サービス)を選ぶポイント
まず、ライティング外注業者には3つのパターンがあります。
それぞれ特色があるので、目的に沿って適切な業者を選びましょう。
SEOマーケティング業者
SEOマーケティング業者は、SEOコンサルティングと専属ライターから構成されるマーケティング支援会社です。
SEOコンサルティングからまるっと外注したい場合にオススメ。
費用はピンキリで、サービス内容も場所によってまちまちです。
外部ライターへライティング業務だけを外出ししている場合もあり、コンサルフィーで大方抜いて、非常に安い値段で外注しているというケースもあります。(ライタープロダクションよりも、その傾向が強い印象)
・顔の見えるライターが存在しているか
・値段に見合ったサービスが提供されているか
などを選ぶ基準にしましょう。
執筆代行サービス・ライティング代行サービス(ライタープロダクション)
ライタープロダクションは、ライティング制作に特化した業者です。
取材出張、取材アポ取り、ブックライティングなど、Webだけでなく紙媒体にも、幅広く対応している場合は多いです。多くの専門ライターを抱えています。
しかし、SEOコンサルティングを兼ね備えていないケースもあり。
サービスのブランド価値を高めたいという方にオススメ。
クラウドソーシングの場合
最後に、クラウドソーシングについて。
クラウドソーシングとは、ライティング、デザイン、ホームページなど、スキルを活かして収入を得たいと考える個人と、依頼したい法人をマッチングするプラットフォームサービスのこと。
有名なところだと、 ランサーズ、クラウドワークスがあります。
クラウドソーシングでは、受注者は大半が個人のライターで、かつ顔を見ることができません。(顔を公開しているケースや法人が登録しているケースも増えてきてはいます)
登録者が多い分、初心者からライティング歴20年以上のベテランまで、クオリティは玉石混交です。そのため、入念な選定が求められます。
クラウドソーシング内には、ランキング、認定制度というものがあり、受注実績が豊富、質の高い記事を納品している人に与えられます。
この、ランキングや認定をもらっているというのも一つの基準として考えても良いでしょう。
Webライターを選ぶポイント
Webライターを選ぶときは、以下の5つの情報を参考にしましょう。
スキル・対応範囲
まずはスキルです。
文章を見ただけだと、正直スキルの有無は分かりません。
なので、ヒアリング項目などで、Webライターのスキルを明確にしていきましょう。
・5000文字以上の記事を書いた経験は?
・取材のアポ取りから行った経験は?
・hタグ、YMYL、ディスクリプションなど、SEOの知識はあるか?
・ディレクターと一緒に骨子を作った経験はあるか?
・Googleアナリティクスなどの分析は可能か?
・キーワードプランナーに基づいた、KW選定はできるか?
強いカテゴリ
特に、専門性を求められる記事であれば、得意領域を聞くのはマストです。
得意領域というのは、金融、不動産、人材、ITといった書く記事のテーマのこと。
ITといっても、幅広いので、
「サイバーセキュリティ」なのか「SEO対策」なのか、それとも「営業管理ツール」と、カテゴリを狭めると、よりそれに近い人材が集まります。(あまり、ニッチだとかえって該当する人が見つかりませんが)
また、得意領域の定義は、全部で3つあると思っています。
2.特化して同じカテゴリについて執筆している(執筆実績)
3.サービス利用者(利用実績)
最も強いのは1ですが、1の人を探そうとすると、なかなか見当たらないので、2、3の人を探すようにしましょう。
また、この他、BtoC、BtoBといった領域でも、全く書き味は異なるので、
領域:金融、不動産、人材、IT
の2軸で、選ぶと良いでしょう。
ITリテラシー
なぜ、ITリテラシーが重要かというと、ITリテラシーがなければ、チャットワークやSlackなど、日頃使い慣れているツールでのやり取りができない可能性があるからです。
また、ITリテラシーが高い人なら、WordPressへの入稿作業、または自社開発したCMSへの入稿作業も苦労せず任せられます。
特に、SEO記事だと、ITリテラシーが高い=業務理解度が高いにほぼ直結するので、意外と見ておくべき選定基準かと思います。
実績
いわずもがなですが、実績ですね。
正直、実績に関しては、編集者やディレクターが裏側にいる限り、正確な文体やスキルを見抜くことは難しいです。
が、SEO実績や実績数を見ることはできるので、どのくらいアクションができ、どのくらいSEOの知見があるのか、の判断材料にはなります。
また、ブログ運営をしている場合は、そちらの文体や記事の構成も見ておくと◎
文体・テイスト
実は、めちゃくちゃ重要な選定基準です。
つまるところ、文章は感覚みたいなところがあって、明確なルールは存在しません。
メディアによって、「PC」という表記するところもあれば、「パソコン」と表記することもあります。
ここは、業界全体の暗黙のルールに通ずるところがあって、同業の方同士だと、割とツーカーで感覚的に通じるみたいなところがあります。
なので、自分がどのような文体・テイストに日頃慣れ親しんでいるかを整理した上で、それに近い人を探す、見つからなければ、どういう文体・テイストで書いて欲しいのかを明確にしましょう。
ライティングの外注相場
外注業者、ライター、クラウドソーシングそれぞれで、相場を解説する前に、まず価格がどのように決まるかを解説します。
ライティングの価格は、一般的に以下のような項目により総合的に決まります。
・業務範囲
・文字数
・執筆本数
・専門性(監修者の有無)
・ディレクター
・SEOコンサルティング
このうち、ディレクターフィーは、個人のWebライターの場合はもちろん発生しません。
より早く、より正確に、より質の良いものを求めれば、必然的に高くなります。
特に、ニッチなカテゴリの場合は、ライターの希少価値は高く、費用は高めになります。
売れっ子ライターだと、1本50,000円〜もザラです。
内容がニッチな場合は、発注側が勉強会を実施する、まとめた情報を提供するなど、稼働することで、少し価格を抑えることもできます。
ライティング代行サービス(外注業者)の場合
という構成がほとんどで、大半の場合は、ディレクターフィー+ライティング費用、それにオプションでコンサルティング費用がのっかる感じです。
価格はぴんきりで、1本50,000円〜のところもあれば、月50本で30万のところも。
Webライターの場合
その人が単独でライティングしている場合と、その人が窓口となり、チームで執筆している場合の2パターンあります。
文字単価1円の人もいれば、1本50000円の人まで、価格はピンきりです。
価格が安いほど、クオリティは担保されない傾向にあります。
単価が高い場合は、どこに優位性があるのか、メリットが有るのかを十分に調べた上で発注しましょう。
Webライティングを依頼する前に確認したいこと
①記事の方向性
ライティングを外注したら終わりでは、良い記事は上がってきません。
「どういうテーマを書いてほしいのか?」
「誰に向けて書くべきか?」
ここが明確になっていないと、なかなか話が進みませんし、費用もイメージしにくく、外注業者・ライターの方も正確な見積もりが出せなくなります。
読者ターゲット、テーマ(ざっくり)は最低でも決めておきましょう。
②納期
特に、複数のクライアントを抱えている外注業者・ライターなら、納期は気になるところです。
毎回、2〜3営業日とかだと、他の案件よりも優先させる必要が出るので割増料金が発生したり、金額によっては、あまり質が高くないものが納品されてしまいます。
相場の納期は、取材モノで初稿(最初に提出する原稿)までで大体5〜7日、コラムで4〜7日です。
③記事の目的
ここが最も重要です。
記事の目的がわからないままだと、何を書いてよいのかわからず、ふわっとしたものしか出来上がりません。
アクセスアップなのか、ブランディングなのか。
そのあたりはクリアにしておきましょう。
④作業範囲
ライティングを外注するといっても、作業には色々な種類があります。
- 記事の企画を考える
- 記事に入れて欲しいキーワードを調査・選定する(必要ならば)
- 取材する(必要ならば)
- 音声データから書き起こしする
- 記事を作成する
- 記事に必要な画像を選定する
- WordPressなどサイトに入稿する
これのどの範囲までをお願いしたいのか、ここを明確にしておくと、ライターの方はとてもイメージが湧きます。
ライターの方はどれだけ時間がかかるのか?という部分をもっとも懸念するので、作業範囲を明確にすると良いです。
Webライティングの外注依頼の手順
具体的に、Webライティングを依頼すると、どのようなプロセスが発生するのか、ここでは依頼者の目線から書いていきます。
①条件提示(予算、納期など)
まず、依頼に関する条件を提示します。情報は下記のような感じですね。
- 予算
- 依頼本数
- 納期
- 依頼目的
②契約締結
大半は、ライティング外注業者またはライターと業務委託契約を結ぶことになります。
もし、情報流出などを懸念する場合は、NDA(秘密保持契約)を結んでおきましょう。
③マニュアル作成
マニュアルは、ライティングを外注する上で非常に重要なプロセスです。
マニュアルで、自社が大切にしている表現(例:Webはウェブ表記に統一など)や規律があれば、全て明文化します。
ライティングは画一的ルールがあるわけではないので、マニュアルで明確にルール化をすることが大切です。
ライティング外注業者のなかには、このマニュアル作成から一緒に考えてくれるところもあります。
④納品物チェック
納品されたからそれでOKではなく、しっかりズレがないか、ターゲットに沿った文章になっているか、再度チェックします。
特に専門性の高い内容だと、ライティング外注業者だけだとチェックには限界があるので、依頼者が監修となって赤入れをするケースもあります(契約の取り決めのときにすり合わせをしましょう)
ライティングの外注のご相談は
ライティングを外注すれば、良い記事があがってくるというのは妄想でしかなく、依頼者も一緒に作り上げるという姿勢が大切です。
当ライティングオフィスは、私を筆頭に、数名のライターによって構成されているSEOに強いライティングオフィスです。
ただ書くだけでなく、サイトの全体設計、戦略立て、記事の企画から一緒に考えていきます。ご依頼はぜひ下記よりどうぞ。

執筆のご相談は下記フォームよりお気軽に。

俵谷 龍佑

最新記事 by 俵谷 龍佑 (全て見る)
- フリーランスは「地雷案件」や「炎上案件」と、どう向き合うべきか? - 2024年5月3日
- 紹介だけで仕事が回る人がハマる落とし穴とは? - 2024年4月27日
- ミスをした人は能力不足?それともルールの欠陥にハマった犠牲者なのか? - 2024年4月18日
- ビジネス書では教えてくれない、フリーランスがあまり直視したくない現実を言語化してみた - 2024年1月17日