俵谷龍佑(@tawarayaryusuke)です。
久しぶりの書評記事です。この本は、今まで読んだ中でドンズバで僕の心を捉えたので、ぜひ書評記事にしようと思っていました。
現代人が潜在的に抱える「課題思考」の問題点を的確にまとめている
就活が一般化し、今は学生のころからロジカルシンキング、PDCAといった逆算思考、課題思考が当たり前のように使われます。
この本では、この課題思考の本質的な問題点を指摘しています。
最も典型的なデメリットは「データ病」だ。数字やデータに基づいた意思決定を繰り返すうちに、明確なエビデンスなしには何も決められない風土が蔓延する。
こうなると、新しいチャレンジが生まれなくなり、既存ビジネスをどう伸ばすかだけに発想が固定されてしまうのだ。
生煮えの「やりたいこと」をどう形にするか、そのプロセスがわかりやすく書かれている
この本の良いところは、なんといっても生煮えの「くだらない」「どうしようもない」「とりとめのない」やりたいことやアイデアを形にし、実現させる方法が書かれていることです。
僕は、今までさまざまなビジネス書を読んできましたが、そのほとんどが手段に終始したものでした。
まあ、でもこれは必然で、みんな手段を知りたいから、そういう本を書いた方が売上的には安定するわけです。
しかし、この本はもっと本質的な深い部分、考え方・フレームワークの話が書かれています。
この本では、4つの考え方、「デザイン思考」「カイゼン思考」「戦略思考」「ビジョン思考」を紹介しています。
このうち、特に「ビジョン思考(ビジョンドリブン)」という自分の妄想から作り上げていくプロセスの解説に多く時間を割いています。
ビジョン思考とは・・・
まだ、目には見えない理想状態を自発的に生み出し、そこと現状とのあいだにあるギャップから、思考の駆動力を得ていく方法
つまり、わかりやすく言えば、「逆算」ではなく「積み上げ」で考えていく方法とも言えます。
規格外の妄想を考えることで、思考ルートが変わる
普通わたしたちは、過去やってきたことや経験から手段を考えます。
しかし、このビジョンドリブンに従って考えると、少々おおげさな例を出せば、「宇宙飛行士になる」という目標が設定されることもあるかもしれません。
これを達成しようと思ったら、一旦全てをとっぱらって考える必要があります。
これが、「妄想」から考えるメリットです。
つまり、妄想をアウトプットする、実現させようとする時点で、思い込みやメンタルブロックが外れて、
既存の思考方法、「デザイン思考」「カイゼン思考」「戦略思考」よりも、より大きな遠い目標にたどり着けるというわけです。
実際に、アメリカが実現した「アポロ計画」も、ケネディ大統領が1961年に「今後10年以内に、人間を月に着陸させる」といった発言がきっかけとして、宇宙開発が進み成功に至ったという事例をこの本で挙げています。
この出来事にちなみ、「実現可能性を度外視した妄想(ビジョン)」を”ムーンショット”と呼ぶそうです。
現代人に必要な「余白」「純粋に楽しむ」を形にできる本
まだまだ紹介したいんだけど、このへんで…
この本の良いところは、ビジョン思考が絶対ではなく、「デザイン思考」「カイゼン思考」「戦略思考」「ビジョン思考」を場面に応じて、使い分けることをすすめていることです。
妄想を形にするビジョン思考だけでなく、ビジョン思考と戦略思考を組み合わせてやりたいことを実現する方法について、
そもそもの妄想を沸き立たせる具体的プロセスを書かれているので、ビジネスビジネスなりすぎて疲れてしまっている人、ニーズばかり追いすぎて自分のやりたいことが見えなくなってしまっている人は必読の本です!
編集後記
ブログ更新9日目。
日付またいでしまいましたが、今回はセーフで笑
ーー
1日1新
- TULLY’S COFFEE Smooth LATTE
俵谷 龍佑
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